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防爆記号の種類と意味の解釈の仕方

工事現場や事業所などで電気機器を使用している方は、その設備に「d2G4」や「Ex ia IIB T4」という記号が書かれているのをご覧になったことがあるかと思います。 

それらは全て「防爆記号」と呼ばれ、その電気機器の防爆性能を表した記号です。 

「防爆」と一口に言っても、電気機器の性能や設置されている環境によって導入すべきレベルは変わってきます。 

本記事では、防爆記号の表し方と、その記号が表す意味について解説していきます。 

 

防爆記号には2種類のパターンが存在 

防爆記号には、「構造規格」と「整合指針」の2種類のパターンが存在します。 

前者は国内規格、後者は国際規格IECに準拠したものです。 

冒頭で示した「d2G4」は構造規格、「Ex ia IIB T4」は整合指針を表します。 

 

防爆記号「構造規格表記」の場合 

構造規格表記には3つの要素があります。 

1つ目は防爆構造の種類、2つ目は爆発等級、3つ目は発火度です。 

それぞれ以下の表のように分類されています。 

 

 

防爆構造の種類名 

記号 

本質安全防爆構造 

i 

耐圧防爆構造 

d 

油入防爆構造 

o 

内圧防爆構造 

f 

安全増防爆構造 

e 

特殊防爆構造 

s 

非点火防爆構造 

n 

樹脂充填防爆構造 

m 

 

爆発等級 

スキの奥行25mmにおいて火炎逸走を生ずるスキの最小値 

1 

0.6mm以上 

2 

0.4mm以上0.6mm未満 

3 

0.4mm以下 

 

発火度 

発火温度 

G1 

450℃以上 

G2 

300℃以上450℃未満 

G3 

200℃以上300℃未満 

G4 

135℃以上200℃未満 

G5 

100℃以上135℃未満 

G6 

85℃以上100℃未満 

 

防爆記号「整合指針表記」場合 

整合指針の場合、「Ex ia IIB T4」のように、先頭に「Ex」という記号をつけます。 

これは国際規格IECに準拠していることを表すものです。 

上記のように、整合指針表記には4つの要素が存在します。先頭につける「Ex」、「防爆構造の種類を表す記号」、「爆発性ガスの分類」、そして「温度等級」です。 

それぞれ以下のように表します。 

 

防爆構造の種類名 

記号 

本質安全防爆構造 

ia,ib,ic 

耐圧防爆構造 

d 

油入防爆構造 

o 

内圧防爆構造 

px,py,pz 

安全増防爆構造 

e 

粉塵防爆構造 

ta,tb,tc 

非点火防爆構造 

nA,nC,nR 

樹脂充填防爆構造 

ma,mb,mc 

 

グループ 

最大安全隙間 

IIA 

0.9mm以上 

IIB 

0.5mm以上0.9mm未満 

IIC 

0.5mm未満 

 

温度等級 

電気機器の最高表面温度 

T1 

450℃ 

T2 

300℃ 

T3 

200℃ 

T4 

135℃ 

T5 

100℃ 

T6 

85℃ 

 

 

「国際整合技術指針2020」によると、グループⅡは、坑気に晒される鉱山以外の爆発性ガス雰囲気が存在する場所で使用する電気機器、グループⅢは、坑気に晒される鉱山以外の爆発性粉塵雰囲気が存在する場所で使用する電気機器を指します。 

 

記号の見方とその意味を正しく理解することが大切 

以上、本記事では、防爆記号の種類と見方について解説させていただきました。 

防爆記号についてしっかりと理解して、ご自身が働いている環境の電気機器がしっかりと規格に適合しているかどうか確認してみてください。 

 

防爆工事でお悩みの方は防爆工事.comへご相談ください。 

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