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2021.07.26
防爆構造規格における「内圧防爆構造」とは?
工事現場やプラントなど、爆発事故が起こる可能性のある場所で使用される電気機器には、安全面を考慮し、防爆構造の導入が義務化されています。
本記事では、防爆構造の1つ、「内部防爆構造」について解説しています。
「内部防爆構造とは何か」「どういった場所に適用されているのか」といった基礎知識を中心に、安全を守るための点検項目についても紹介しています。
ぜひ最後までご覧ください。
目次
「内圧防爆構造」とは
「内圧防爆構造」とは、容器内に保護気体を注入し、内圧をキープすることで、爆発性ガスが外部から侵入するのを防ぐための構造を指します。
防爆記号では「f」で表されます。
内圧防爆構造は内圧を高める方法によって、3種類に細分化されます。
通風式内圧防爆構造
空気の循環によって発生する内外の圧力差によって容器内圧力を上昇させ、外部からガスの侵入を防止する方法です。
封入式内圧防爆構造
密閉構造の容器で、保護気体が漏れた分だけを補充することで必要な圧力を維持をする方法です。
希釈式内圧防爆構造
内部のガスや蒸気の濃度を薄めるために保護ガスを注入して内圧を保つ方法のことを指します。
「内圧防爆構造」が適用される危険箇所の分類
危険箇所は「0種」、「1種」、「2種」、「非危険場所」の4つに分けられます。
・0種→爆発性雰囲気が連続的、もしくは長時間存在する可能性がある場所
・1種→正常な状況下においても、爆発性雰囲気が生成される恐れのある場所
・2種→異常な状況下においてのみ、爆発性雰囲気が生成される恐れのある場所
・非危険場所→異常自体が起こっても爆発性雰囲気が生成される恐れがない場所
可燃性物質や高度な電気機器を扱う工場やプラントはそれぞれ、上記の0種から2種のいずれかに該当します。
「内圧防爆構造」が導入された電気機器は、1種・2種の危険箇所でのみ使用が限定されています。
0種に指定されている場所では使用することができないため注意が必要です。
「内圧防爆構造」の電気機器における点検項目
内圧防爆構造の電気機器は、以下の項目の有無を定期的に点検する必要があります。
①容器、締め付けネジ、配線などの損傷や緩み
②排気管やエアフィルターの損傷、目詰まり
③保護装置の動作チェック
④通風による埃やちりの堆積
⑤絶縁性能の耐久検査
上記の状態を定期的にチェックすることで、爆発性ガスの外部からの侵入リスクを可能な限り抑えられるでしょう。
内圧防爆構造の定期的な点検を
以上、本記事では、防爆構造の1つである「内圧防爆構造」について解説しました。
爆発性ガスの侵入を防ぐ方法を知る上での参考になりましたでしょうか。
本記事で解説した「内圧防爆構造」の特徴を頭に入れた上で、定期的な点検を行うようにしてください。
防爆工事でお悩みの方は防爆工事.comへご相談ください。