ホーム >  トピックス

トピックス

コラム

ボンディングとは?工場や倉庫で火災・爆発・感電事故を防ぐための方法

化学物質を取り扱うプラントや、貯蔵・保管に用いられる倉庫では、配管のメンテナンスや事故対策に気をつけなくてはなりません。

なぜなら、電気や可燃性物質の性質により、わずかな環境の変化が大きな火災・爆発事故を招く恐れがあるからです。

そこで、着目すべき防爆対策の一つが「ボンディング」です。

 

本記事では、電流の性質や火災・爆発のプロセスを抑えた上で、ボンディングの意味や施工内容を解説します。

工場を経営している方や、電気関係の仕事に携わる方は、ぜひ参考にしてください。

 

 

電流の性質

はじめに、ボンディングを理解するために、電流の性質を確認しましょう。

 

電流は電位の高いところから低いところへと流れる性質があります。

電位とは、電荷の持つ位置エネルギーのことです。

例えば雷が避雷針に落ちた際、雷電流が接地へと流れ、接地極では地電位上昇が発生します。

この時、他の接地極との電位差が生じると、機械内部に絶縁破壊を起こし、電位の低い建物内部に過電流が流れ、電気設備が破壊される恐れがあります。

そのため、等電位ボンディングによって建物内の各接地極の電位差をなくす取り組みが欠かせません。

 

また、建物の配管内には常に流体が存在し、管壁との摩擦により電荷が移動することによって、流体が帯電します。

この流体帯電状態下において、配管のフランジ部分などが絶縁状態になる場合、発生した電荷が蓄積され、静電気による火花が発生します。

ガソリンや石油などの可燃性流体が扱われやすい工場などでは、着火源があると引火し、火災・爆発などの大事故に繋がりやすいです。

この対応策として、フランジ同士を電線または金属板で接続し、電位差をなくすことで配管内の帯電を防ぐボンディングが導入されています。

 

以上から分かるように、ボンディングとは2つ以上の導電体を接合する作業のことです。

ボンディングにより繋がった導電体は同じ電位になるため、導電体間で電流が流れません。

 

 

等電位ボンディングとは

労働安全衛生法や電気事業法などの各種法令・政令では、爆発雰囲気を作る可能性がある「危険箇所」における電気機器の防爆化が義務付けられています。

また、「発火能力のあるスパークに対する保護」として、接地システムや等電位ボンディング・静電気・避雷に関する記述があります。

中でも特に、危険箇所における防爆電気設備に対しての等電位化は、必要性が大きいです。

 

ここでは、等電位ボンディングについて詳しく見てきましょう。

 

施工内容

等電位ボンディングとは、導電性部分間の電気的接続を指し、電位差をゼロにすることが意図されます。

なお、等電位ボンディングの種類は、保護ボンディングと機能ボンディングの2つです。

 

保護ボンディング

保護ボンディングとは、感電を防ぐことを目的とし、特に絶縁故障時に大きな役割を担います。

保護ボンディング回路は、電気装置内の保護導体・PE端子・電気装置内の露出導電性部分及び導電性構成部分・機械の導電性構成部分を相互接続し、地絡や漏電による感電を防ぎます。

 

機能ボンディング

機能ボンディングとは、電気装置を正常に機能させるための等電位化のことです。

 

 

ボンディングで火災・爆発・感電の原因をなくす!

いかがでしたでしょうか。

今回は、電流の性質を確認するとともに、防爆・感電対策の一環であるボンディングについて解説しました。

防爆環境における接地や等電位ボンディングは、法的な根拠を持ちます。

基準や規格に従った適切な対応を行わないと、責任を問われることもあるため、慎重に行いましょう。

 

防爆工事でお悩みの方は防爆工事.comへご相談ください。 

トピックス一覧へ戻る