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ガス蒸気危険場所の分類や対象となる場所

工場で働いたり、大規模な電気機器を扱ったりする際には、「ガス蒸気危険場所」という言葉を耳にするかもしれません。

これは、建物の防爆化には欠かせないキーワードです。

 

そこで本記事では、「ガス蒸気危険場所」とは何を表すのかを解説します。

防爆対策の導入を考えている方や、「ガス蒸気危険場所」についての知識を深めたい方は、ぜひ参考にしてください。

 

 

ガス蒸気危険場所とは

では早速、「ガス蒸気危険場所」の定義や分類について詳しく見ていきましょう。

 

概要

「ガス蒸気危険場所」とは、可燃性のガスや蒸気が漏洩・放出し酸素(空気)と混ざることで、爆発性雰囲気となるかもしれない範囲・エリアのことです。

 

一般的に、可燃性ガス・蒸気などの危険な物質は、タンクや容器の中に密閉して保存されています。

しかし、装置の故障や誤作動などにより、危険性物質が大気中に漏出される可能性も否めません。

多量の可燃性ガス・蒸気が漏出し、空気中の濃度が高くなると、その近辺には「爆発性雰囲気」と呼ばれる危険な雰囲気が発生します。

爆発性雰囲気の中に、電気機器のような着火源があると引火し、火災・爆発のリスクが高まります。

 

「ガス蒸気危険場所」とは、上記のような火災・爆発のリスクが高い範囲を、危険度に応じて分類したものです。

爆発性雰囲気が蔓延する時間や頻度に応じて3段階に分けられ、対応する防爆構造を有した電気機器の選定・使用が世界的に呼びかけられています。

 

分類

では、労働安全衛生法が示す、それぞれの危険場所の定義を確認していきましょう。

 

特別危険箇所(0種場所・Zone0)

「通常の状態」において、爆発性雰囲気を「持続して」作り出すリスクが高いゾーン、または可燃性ガス・蒸気が「頻繁に」高濃度(爆発下限界以上)となる範囲のことです。

可燃性ガスの液面上部などを指します。

 

第一類危険箇所(1種場所・Zone1)

「通常の状態」において、爆発性雰囲気を「しばしば」作り出すリスクがあるエリアのことです。

具体的には、通常の運転・操作で製品を取り出したり、ふたを開閉したりして可燃性ガス・蒸気を放出する開口部付近や、しばしば点検や修理で可燃性ガス・蒸気を放出する開口部付近、室内または換気が妨げられやすく、可燃性ガス・蒸気が停滞しやすい範囲を指します。

 

第二類危険箇所(2種場所・Zone2)

「通常の状態」において、爆発性雰囲気を発生する恐れが「少なく」、発生した場合でも「短時間」しか続かないエリアのことです。

容器や設備が故障し、密閉されていた可燃性ガス・蒸気の漏出に起因して爆発性雰囲気が作られる恐れがある範囲や、第一類危険箇所に隣接し、爆発性雰囲気が稀に入り込む恐れがある箇所などを指します。

 

可燃性ガス・蒸気の種類

可燃性ガス・蒸気には、水素・石炭ガス・アンモニア・一酸化炭素・エタン・プロパン・エタノールなどがあります。

それぞれの可燃性ガスには、空気と混合した際に、着火することで爆発を起こす最低濃度が決まっています。

可燃性ガスは一定条件が揃うと、大規模な火災・爆発の原因となるため注意が必要です。

 

当てはまる場所

ガス蒸気危険場所に当てはまり、防爆構造が必要となるのは、石油や化学薬品を使用・生成するプラント、ガスやガソリン・可燃薬品・塗料・溶剤などを取り扱う場所、可燃性物質を貯蔵・保管する工場や倉庫などです。

 

 

危険度で分かれる防爆の対象エリア

いかがでしたでしょうか。

今回は、防爆知識の一つである「ガス蒸気危険場所」の定義や分類、対象範囲を紹介しました。

特に工場管理者やガスを取り扱う場所で勤務している方は、安全確保の観点なら対策は必要不可欠です。

工場や倉庫などでは、扱う物質やエリアに合わせた対策をしっかり講じ、火災・爆発などの事故を防いで、安全な運営を行いましょう。

 

防爆工事でお悩みの方は防爆工事.comへご相談ください。 

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