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蒸気爆発が起こる原理

蒸気爆発とはどんな時に起きるのだろう?

このような疑問をお持ちの方は多いでしょう。

一口に「爆発」と言っても、爆発が起こる原因にはさまざまな種類があります。

その中でも¨物理的な要因か¨または¨化学反応によるものか¨という点が、大きな違いです。

物理的な要因の例とは、火山の爆発や水蒸気が原因となるもので、化学反応による爆発は、物質同士が合わさった時に科学反応が起きる現象です。

本記事では、物理的な要因で起こる「蒸気爆発」の原理を解説します。

 

 

蒸気爆発が起きる原理

蒸気爆発が起こるまでの工程を、順に説明します。

  1. 高温の溶岩や溶けた金属が冷たい水の中に入る
  2. 高温な物質の熱に触れて水が蒸発する
  3. 「蒸気膜」となり高温物質を包む
  4. 膜に包まれた高温物質は一時的に熱を閉じ込める
  5. 膜が破れて高温物質が漏れだす
  6. 漏れた高温物質と水が再び触れる
  7. 冷たい水と熱が反発し圧力が生まれ爆発する

工程を追っていくと長い時間のように思えますが、一連の物質の変化はごく一瞬で起こることが多いでしょう。

 

 

蒸気爆発の例え

¨爆発の原理¨と聞くと、難しそうな先入観を持ってしまいますが、実は身近なものでも蒸気爆発の現象が起きます。

 

熱したフライパン

火にかけて高温になったフライパンを、すぐに洗おうと流水にさらした時¨ジュッ¨という音と共に、煙のようなものが出るのを見たことがある方もいるでしょう。

厳密に言うと多少異なる点はあるのですが、大まかな原理としては①~⑦と同じことがフライパンの上で起きています。

つまり、高温なものと冷たいものが合わさった時の力のぶつかり合いが、爆発に繋がるのです。

 

熱い油に水を注ぐ

「揚げ物の油に水を注いではいけない」。

この情報を知っている方も、多くいらっしゃると思います。

揚げ物をする時などに、油を熱しすぎると発火する場合があります。

火を見ると直感的に水をかけて消したくなりますが、油から発火している場合は、絶対に水をかけてはいけません。

超高温まで熱した油に水をかけると、爆発が起きます。

この現象も、熱い物質と冷たい水のぶつかり合う力による、蒸気爆発のひとつです。

 

 

蒸気爆発の事例

危険物を扱っている工場や施設では、実際どのような経緯で爆発が起きてしまうのでしょうか。

2つの事例を紹介します。

 

事例1:自動車工場での蒸気爆発事故

2012年、ある自動車工場で蒸気爆発事故が発生した事例があります。

溶かした鉄が入っていた容器を移動させている最中に転倒してしまい、容器からこぼれた高温の鉄と、地面にあった水分が触れ合ったことで爆発が起きました。

爆発によって従業員が火傷を負い、建物への軽微な破損があったそうです。

この工場では事故後の対策として、漏水を感知するセンサーを設置しました。

 

事例2:アルミ工場での蒸気爆発事故

2018年、あるアルミ工場では、大雨が引き金となった爆発事故が発生します。

事故当時、雨の影響で工場内は膝くらいまで浸水していました。

そこに、炉の中の溶けたアルミが触れたことで、爆発が起きたと見られています。

爆発が起きた際、工場内に従業員は居ませんでしたが、大きな爆発の影響によって近隣の住民が怪我を負いました。

この事故では後に、工場の責任者が業務上過失傷害で書類送検されています。

 

 

蒸気爆発の原理を知って正しい現場管理を

いかがでしたでしょうか。

本記事をご覧いただくことで、蒸気爆発の原理をご理解いただけたと思います。

さまざまケースで起こる可能性のある蒸気爆発は、事前にしっかりと対策をしておけば防ぐことが可能です。

蒸気爆発の原理を理解して、現場の作業環境を安全に整えましょう。

 

防爆工事でお悩みの方は防爆工事.comへご相談ください。 

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