防爆構造規格における「非点火防爆構造」とは?

工事現場や事業所などで働いている方にとって最も怖いのが爆破事故ではないでしょうか。 

日々働いている中での安全管理は雇用者の義務であり、安全が保証された環境で働くことは従業員の権利でもあります。 

そういった観点から、労働環境における電気機器には、防爆構造が導入されたものを使用しなければならないことが法律によって定められています。 

 

本記事ではその防爆構造の1つ、「非点火防爆構造」について解説しています。 

強固な防爆対策を検討している方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。 

「非点火防爆構造」とは 

「非点火防爆構造」、(別名:「n型防爆構造」)は、しばしば「nA」という記号で表され、 

 

機器の状態に関わらず、発火源となる可能性が低い 

機器の近くの爆発性ガスなどに引火する危険性が低い 

 

上記の2点を満たしている電気機器に導入されます。 

 

「簡易防爆」とも呼ばれ、保護水準を引き下げることにより、構造上の条件や導入要件の緩和がなされています。 

そのため、主に、LED照明器具や簡易設計の電気機器などに用いられるケースが多いです。 

「非点火防爆構造」が適用される危険箇所の分類 

 

危険箇所は「0種」、「1種」、「2種」、「非危険箇所」の4つに分類されます。 

 

・0種→現場の環境に関わらず、爆発性のガスや可燃性物質が長時間存在する可能性がある箇所 

・1種→通常状態において、爆発性のガスや可燃性物質が発生する危険性のある箇所 

・2種→通常状態で爆発性のガスや可燃性物質の発生率が低く、発生したとしても短時間しか存在しない箇所 

 

・非危険場所→電気機器の使用に際して特別な措置を取らなくてもいいと判断された箇所 

 

爆発性ガスや電気機器を扱う工場や事業所は、上記の0種から2種のいずれかに該当します。 

 

「非点火防爆構造」が導入された機器は、「2種」でのみ使用が認められており、0種や1種に該当する危険箇所では使用することができません。 

 

防爆の保護水準を下げているため、機器内部への導入は容易である一方、危険度の高い場所には導入が認められていないのが現状です。 

 

ですが、日本国内の防爆エリアの80%が「2種」に該当すると言われています。 

そのため、軽工業などの「2種」に該当する工場にとっては、適切な箇所に導入さえしていれば安全性も担保された上でコストも抑えられるため、まさに一石二鳥の構造と言えます。 

 

電気機器の定期的なメンテナンスを 

 

以上、本記事では防爆構造の1つ「非点火防爆構造」について解説しました。 

防爆対策を検討する上での参考になりましたでしょうか。 

防爆構造を導入しているから大丈夫と安心するのではなく、内部の腐食やネジの緩みがないかなど、安全のために電気機器の定期的なメンテナンスは行っていくようにしましょう。 

 

防爆工事でお悩みの方は防爆工事.comへご相談ください。 

(https://boubaku.seikun.co.jp/) 

事故データから考える爆発対策の必要性

可燃性ガス、酸素、点火源、これら3つの条件が揃うことで爆発が発生します。 

爆発事故は火災と異なり、発生件数は圧倒的に少ないです。 

経産省が発表しているデータによれば2020年に発生した爆発事故件数は192件でした。これは同年の出火件数34,602件(総務省消防庁消防統計より)と比較しても圧倒的に少ないと言えます。 

 

しかし、発生件数が少ないからといって、対策を怠ってもいいわけではありません。 

本記事では、なぜ事故件数が少ない爆発事故の対策をする必要があるのかについて解説していきます。ぜひ最後までご覧ください。 

  

爆発対策の必要性「死に直結する」 

「人命を守る」という切り口で考えれば、爆発事故は火災事故と比較して、巻き込まれた人の死亡率が非常に高いです。 

厚生労働省が発表した令和2年のデータによると、労災によって亡くなった方の数は802人、死傷者数は131,156人でした。 

また、その中で、製造業・鉱業・建設業を全て合わせた爆発事故による死者数は4名で、死傷者数は41名です。 

上記のデータを単純に比較してみると、労災に遭った死傷者数100名あたり、亡くなっている方は平均すると0.61人です。 

その一方で、爆発事故に巻き込まれた死傷者数100名あたり、9.76名の方が平均して亡くなっていることがわかります。 

爆発事故は他の労働災害と比較しても、死に直結しやすい災害であることがわかります。 

 

爆発対策の必要性「損失が大きい」 

前述したように、爆発事故が起きる環境下には、点火源となる高度な電気機器や、危険度の高い物質が介在していることがほとんどです。 

爆発事故は火災とは異なり、一瞬にして起こるものです。 

つまり、従業員の避難や機密情報の持ち出しが、叶わないケースがほとんどです。 

そのため、優秀な人的資本の損失や、リスク管理ができていない企業として、経営上の大きな損失を招く結果となります。 

  

危険な場所ほど防爆の意識を高く 

以上、本記事では工場やプラントにおける爆発対策の必要性について解説しました。 

適切な爆発対策を怠ると、万一の時に人命が失われたり、重大な経営損失を負ったりするリスクをご理解いただけたと思います。 

本記事が爆発を防ぐ「防爆」意識を高めるきっかけとなれば幸いです。 

 

防爆工事でお悩みの方は防爆工事.comへご相談ください。 

危険物を保管する倉庫で必要な防爆処理とは

「危険物」とは、火災や爆発を引き起こす可能性のある物質や、人体に有害な影響を及ぼす可能性のあるガスなど、さまざまな危険性を持った物質を指します。 

こういった危険物を保管する倉庫では、どのような防爆措置を取る必要があるのでしょうか。 

本記事では危険物倉庫における防爆措置について解説していきます。 

危険物の被害から人命を守る倉庫の役割を知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。 

消防法上の危険物倉庫の定義 

消防法上の危険物倉庫は以下の3種類に大別されます。 

製造所→危険物を製造する目的で指定数量以上の危険物を取り扱うため市町村等の許可を得た場所 

貯蔵所→指定数量以上の危険物を貯蔵するため市町村等の許可を得た場所 

取扱所→危険物の製造以外で危険物を取り扱う場所 

また、消防法第10条では、「指定数量以上の危険物の貯蔵・取扱は製造所、貯蔵所または取扱所以外の場所で行ってはならない」と定義されています。 

危険物倉庫に必要な防爆措置 

危険物倉庫の建築に関して、防爆の観点から導入が必要となる条件は以下の通りです。 

これらは先述したように、消防法によって定められたものになるため、遵守する必要があります。 

  

構造の必要条件 

・軒高が6m未満で平屋であること 

・床面積が1000㎡以下であること 

・屋根の素材には軽量金属板などの不燃材料を用いる 

・壁や梁、床が耐火構造になっていること 

・網入りガラスの窓になっていること 

  

危険物倉庫建設の際に必要な設備 

・避雷設備 

・蒸気排出設備  

・採光の確保 

  

設置場所の必要条件 

・河川や湖を汚さない場所 

・地盤が安定していること 

  

危険物倉庫建設の際は防爆措置をしっかりと

以上、本記事では危険物倉庫に必要な防爆措置について解説しました。 

倉庫に必要な条件を知る上での参考になりましたでしょうか。 

倉庫において危険物を保管する場合は、防爆の観点から消防法をはじめとした法律を遵守する必要があることを覚えておきましょう。 

 

防爆工事でお悩みの方は防爆工事.comへご相談ください。 

防爆構造規格における「内圧防爆構造」とは?

工事現場やプラントなど、爆発事故が起こる可能性のある場所で使用される電気機器には、安全面を考慮し、防爆構造の導入が義務化されています。 

本記事では、防爆構造の1つ、「内部防爆構造」について解説しています。 

「内部防爆構造とは何か」「どういった場所に適用されているのか」といった基礎知識を中心に、安全を守るための点検項目についても紹介しています。 

ぜひ最後までご覧ください。 

 

「内圧防爆構造」とは 

「内圧防爆構造」とは、容器内に保護気体を注入し、内圧をキープすることで、爆発性ガスが外部から侵入するのを防ぐための構造を指します。 

防爆記号では「f」で表されます。 

 

内圧防爆構造は内圧を高める方法によって、3種類に細分化されます。 

 

通風式内圧防爆構造 

 空気の循環によって発生する内外の圧力差によって容器内圧力を上昇させ、外部からガスの侵入を防止する方法です。 

 

封入式内圧防爆構造 

 密閉構造の容器で、保護気体が漏れた分だけを補充することで必要な圧力を維持をする方法です。 

 

希釈式内圧防爆構造 

内部のガスや蒸気の濃度を薄めるために保護ガスを注入して内圧を保つ方法のことを指します。 

「内圧防爆構造」が適用される危険箇所の分類 

 

危険箇所は「0種」、「1種」、「2種」、「非危険場所」の4つに分けられます。 

 

・0種→爆発性雰囲気が連続的、もしくは長時間存在する可能性がある場所 

・1種→正常な状況下においても、爆発性雰囲気が生成される恐れのある場所 

・2種→異常な状況下においてのみ、爆発性雰囲気が生成される恐れのある場所 

・非危険場所→異常自体が起こっても爆発性雰囲気が生成される恐れがない場所 

 

 

可燃性物質や高度な電気機器を扱う工場やプラントはそれぞれ、上記の0種から2種のいずれかに該当します。 

 

「内圧防爆構造」が導入された電気機器は、1種・2種の危険箇所でのみ使用が限定されています。 

0種に指定されている場所では使用することができないため注意が必要です。 

「内圧防爆構造」の電気機器における点検項目 

内圧防爆構造の電気機器は、以下の項目の有無を定期的に点検する必要があります。 

 

①容器、締め付けネジ、配線などの損傷や緩み 

②排気管やエアフィルターの損傷、目詰まり 

③保護装置の動作チェック 

④通風による埃やちりの堆積 

⑤絶縁性能の耐久検査 

 

上記の状態を定期的にチェックすることで、爆発性ガスの外部からの侵入リスクを可能な限り抑えられるでしょう。 

内圧防爆構造の定期的な点検を 

以上、本記事では、防爆構造の1つである「内圧防爆構造」について解説しました。 

爆発性ガスの侵入を防ぐ方法を知る上での参考になりましたでしょうか。 

本記事で解説した「内圧防爆構造」の特徴を頭に入れた上で、定期的な点検を行うようにしてください。 

 

防爆工事でお悩みの方は防爆工事.comへご相談ください。 

防爆構造電子機器の導入が必要な防爆仕様基準

「どんな基準で導入すべき防爆仕様が決まっているの?」 

「防爆」と言うワード、工場やプラントで働く方なら一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。 

工場やプラントで働く上で最も怖い事故が、爆発事故です。 

データ上、日本での爆発事故は少ないものの、その危険性は計り知れません。 

よって、その環境で働く人々の命と安全を守るためにも、特定の条件下の場所では防爆措置を施す必要があります。 

 

本記事では、そういった爆発事故を未然に防ぐための「防爆構造」について、どのような基準で導入すべき防爆仕様が定められているのかについてまとめています。 

自身が働く場所での防爆対策を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。 

 

「危険箇所」とは? 

防爆仕様の電気機器導入が必要な「危険場所」とは、可燃性のガスや蒸気によって、爆発の可能性があると推測され、特別な予防策が必要となる区域を指します。 

 

防爆仕様の基準は、「どの程度の危険場所にその機器を導入するか」によって決まっているのです。 

「JIS C 60079-10:2008 爆発性雰囲気で使用する電気機械器具-第 10 部:危険区域の分類」 

によって定義されている危険箇所は全部で3箇所存在します。

 

電気機器を防爆仕様にする必要な場所「ゾーン0」 

「ゾーン0」とは、長時間の間連続して爆発性を孕んだガスや蒸気、粉じんを発生させると推測される場所を指します。 

 

電気機器を防爆仕様にする必要な場所「ゾーン1」 

「ゾーン1」とは、通常の状態であっても、爆発性・可燃性のあるガスを作り出す可能性があると推測される環境を指します。 

 

電気機器を防爆仕様にする必要な場所「ゾーン2」 

「ゾーン2」とは、異常状態下においてのみ、爆発性ガスを作り出すと推測される環境を指します。 

 

労働環境の危険度についてチェックを 

以上、本記事では労働環境の危険度に応じた防爆の導入基準について解説しました。 

防爆使用の基準を理解する上での参考になりましたでしょうか。 

本記事を参考に、ご自身が働いている環境について、どの危険度に該当するかチェックしてみてください。 

 

防爆工事でお悩みの方は防爆工事.comへご相談ください。 

防爆構造規格における「安全増防爆構造」とは?

爆発性のあるガスや、高度な電気回路を扱う工事現場・事業所では、安全第一の観点から着火源である電気機器に防爆構造を施すことが義務となっています。 

上述した「爆発性のあるガス」とは、都市ガスや揮発性の高いガソリンなどの類を指しています。 

本記事では、防爆構造の1つである「安全増防爆構造」について解説していきます。 

防爆構造はその仕事に従事する人の命にかかわるものですので、ぜひ最後までご覧ください。 

 

防爆における「安全増防爆構造」とは 

安全増防爆構造は、「e」という防爆記号で表されます。 

また、安全増防爆構造を構成する要素は3点あります。 

火花や異常な高温を発することのない電気機器を容器内へ収納する 

絶縁不良や接触不良、断線などの故障が起こりにくい 

火花や異常高温の発生を抑制する 

上記の3点を満たした構造のことです。 

接点開閉器や高温発生部などのある電気機器は、安全増防爆構造にはできません。 

安全増防爆構造の利点 

軽量化が可能で、水素やアセチレンなどの爆発等級3(グループⅡC)の防爆電気機器を製作する場合でも対応が容易になります。 

 

安全増防爆構造の電気機器が適用される危険箇所の分類 

危険箇所は「Zone1(0種危険場所)」、「Zone2(1種危険場所)」、「Zone3(2種危険場所)」、「非危険場所」の4つに分類されます。 

 

・Zone0→爆発性雰囲気が連続的、もしくは長時間存在する可能性がある場所 

・Zone1→正常な状況下においても、爆発性のあるガスが生成される恐れのある場所 

・Zone2→異常な状況下においてのみ爆発性のあるガスが生成される恐れのある場所 

・非危険場所→異常自体が起こっても爆発性のガスが生成される恐れがない場所 

 

つまり、可燃性物質や高度な電気機器を扱う工場や事業場は、上記のZone1からZone3のいずれかに該当します。 

「安全増防爆構造」は、Zone1とZone2でのみ使用が限定されており、Zone0では使用することができません。 

 

「安全増防爆構造」の電気機器における点検項目 

安全増防爆構造を導入している電気機器は以下の点を中心に点検を行うようにしてください。 

①ゴムパッキンのひび割れ 

②蓋締め付きネジの緩み 

③容器外部の損傷や亀裂 

④絶縁抵抗値の低下 

⑤端子台締め付けネジの緩み 

⑥裸充電端子部の汚れ 

 

労働環境の防爆構造チェックを 

以上、本記事では防爆構造規格の一つである「安全増防爆構造」について解説しました。 

爆発を防ぐ仕組みを理解する上での参考になりましたでしょうか。 

ご自身が仕事をしている環境の防爆はどうなっているか、本記事をきっかけにぜひ確認してみてください。 

 

防爆工事でお悩みの方は防爆工事.comへご相談ください。 

防爆構造規格における「耐圧防爆構造」とは?

工事現場やプラントなどで使用する電気機器には、安全性の観点から「防爆構造」の組み込みが必要とされています。 

端的には「爆発物の爆発を防ぐ」ための構造です。 

本記事では、その防爆構造の1つである「耐圧防爆構造」について解説しています。 

「耐圧防爆構造」とは 

耐圧防爆構造とは、容器内部で爆発性ガスの爆発が起こった際に、容器外部で副次的な被害がでないようにした防爆構造のことで、防爆構造記号では”d”で表されます。 

 

簡単にまとめれば、容器内で爆発してもその爆発は外部に漏れず、外部にガスがあっても引火することがない、ということです。 

そのため、実質的には点火源を爆発性ガスから切り離す役割を果たしていることになります。 

また、上述した通り、容器の内部での爆発に耐える必要があるため、容器の内容積に応じて 、8〜10kg/cm の内部圧力に耐えられることが必要条件となっています。 

 

「耐圧防爆構造」が適用される危険箇所の分類 

危険箇所は「Zone1(0種危険箇所)」、「Zone2(1種危険箇所)」、「Zone3(2種危険箇所)」、「非危険箇所」の4つに分類されます。 

 

可燃性物質や高度な電気機器を扱う工場やプラントは、上記のZone1からZone3のいずれかに該当します。 

「耐圧防爆構造」は、Zone1とZone2でのみ使用が限定されており、Zone0に該当する危険箇所では使用することができません。 

同構造は、あくまで点火源を隔離するという役割ですので、危険度の高い箇所には導入ができないことになっています。 

「耐圧防爆構造」の電気機器における点検項目 

耐圧防爆構造が導入されている電気機器は以下の有無を重点的に確認しましょう。 

 

①容器外部の損傷や亀裂 

②締め付けボルトの腐食や緩み 

③ガラス部分の損傷 

④操作軸や稼働部分の摩耗 

⑤固着材料やパッキンのひび割れ、損傷 

 

定期的なメンテナンスは機器の故障を未然に防ぐだけでなく、従業員の安全を守ることにも繋がります。 

安全に働くために点検はしっかりと行いましょう 

以上、本記事では、防爆構造の1つである「耐圧防爆構造」について解説しました。 

点検に必要な項目を理解する上での参考になりましたでしょうか。 

容器の腐食や損傷だけでなく、ガラス部分のヒビや、ゴムパッキンのズレなどによって正常に作動しない可能性もあります。 

ぜひ本記事をきっかけにご自身で点検をしてみてください。 

 

防爆工事でお悩みの方は防爆工事.comへご相談ください。 

防爆電気工事を行うために取得しておきたい資格

工場やプラントで働く従業員の安全を守るために、危険度に合わせて導入が義務付けられている防爆措置。 

一歩間違えれば大事故になりかねないからこそ、防爆電気機器の運用には正しい知識が不可欠になります 

 

本記事では、防爆電気工事に関する資格「SBA-Ex」について紹介します。 

防爆のスペシャリストを目指す方にとって不可欠な資格ですので、ぜひ最後までご覧ください。 

 

防爆の電気工事に関連する資格「SBA-Ex」 

防爆電気工事の資格として本記事で紹介するのは、「セーフティーベーシックアセッサ(通称:SBA-Ex)」という資格です。 

「セーフティーベーシックアセッサ」とは、2004年より日本認証株式会社によって実施されている資格試験で、機械運用安全分野と防爆電気機器安全分野の2つが存在します。 

 

「SBA-Ex」取得までの流れ 

「SBA-Ex」の取得に必要なフローは主に2つです。 

 

1、防爆に関する知識習得講習に参加するなどして、防爆に関する知識を身につける 

2、学科試験を受講 

 

学科試験をクリアすれば資格自体の取得は可能です。 

受験するにあたって必要な要件なども特になく、誰でも取得が可能な資格となっています。 

「SBA-Ex」の受験方法 

「SBA-Ex」の試験では、選択形式で防爆に関する知識問題について回答を行います。 

 

試験の形式として、「試験のみを受けるプログラム」と、「試験前に防爆に関する講習会を受講してから試験を受けるプログラム」の2種類が用意されています。 

 

初めて「SBA-Ex」の受験を行う方には、後者の講習と試験が一体となっているプログラムへの参加がおすすめです。 

 

「SBA-Ex」を取得して防爆電気工事のスペシャリストに 

以上、本記事では防爆電気工事資格である「SBA-Ex」について解説しました。 

自身にとって必要な資格について知る上での参考になりましたでしょうか。 

ご自身の労働環境の安全性を高めるためにも、ぜひ正しい知識を身つけ、防爆のスペシャリストとして活躍してください。 

 

防爆工事でお悩みの方は防爆工事.comへご相談ください。 

防爆構造規格における「本質安全防爆構造」とは?

可燃性の物質を扱う工場や事業所では、爆発性ガスの生成は付きものです。 

また、引火することで爆発を引き起こす原因になりうる電気機器を設置しないことも非現実的です。 

そのため、安全性の観点から工場や事業所で使う電気機器には防爆構造が施されています。 

本記事ではその防爆構造の1つ、「本質安全防爆構造」について解説していきます。 

 

工場や事業所において、爆発を防ぐためにどのようなことがなされている知りたい方は、ぜひ本記事を参考してみてください。 

「本質安全防爆構造」とは 

本質安全防爆構造とは、内部回路で発生する火花が発火・点火の原因となる爆発の防止、もしくは機械内の高温部分が周囲の部品に与える影響が抑制される構造を指し、防爆記号では「i」で表されます。 

 

防爆構造の中で最も安全とされ、必要エネルギーが小さい機器に導入されることが多い構造です。 

 

特長 

防爆構造は基本的に、電気機器が正常に作動している条件においてのみ防爆性能が発揮されます。 

 

ですが、本質安全防爆構造の場合、定められた回路に導入していれば、たとえその設備が故障していたとしても、正常に防爆性能が作動します。 

 

「本質安全防爆構造」の電気機器が適用される危険場所の分類 

危険場所は「0種」、「1種」、「2種」、「非危険場所」の4つに分類されます。 

 

0種→爆発性雰囲気が連続的、もしくは長時間存在する可能性がある場所 

1種→正常な状況下においても、爆発性のあるガスが生成される恐れのある場所 

2種→異常な状況下においてのみ爆発性のあるガスが生成される恐れのある場所 

非危険場所→異常自体が起こっても爆発性のガスが生成される恐れがない場所 

 

 

爆発生ガスやその他可燃物の発生、もしくは高度な電気機器を設置している場所は、そのほとんどが上記の「0種」から「2種」のいずれかに該当します。 

 

「本質安全防爆構造」は、「0種」、「1種」、「2種」の全ての危険場所で使用が許可されています。 

 

ただし、「0種」に該当する場所では「本質安全防爆構造」を導入している電気機器以外は使えません。 

 

メンテナンスにおけるチェック項目 

本質安全防爆構造の電気機器をメンテナンスする場合は、以下の項目を中心にチェックを行うようにしましょう。 

①電気機器のグループが仕様書に書かれている条件を満たしているかどうか 

②電力や電圧、電流が仕様書に定められた値となっているかどうか 

③仕様書によって決められた場所に接地されているかどうか 

④汚れや腐食、振動などから保護されているかどうか 

 

 

一度防爆構造のチェックをしてみよう 

以上、本記事では、防爆構造の1つである「本質安全防爆構造」について解説させていただきました。 

ご自身の安全管理のためにも、防爆構造のメンテナンス状況を確認してみてください。 

 

防爆工事でお悩みの方は防爆工事.comへご相談ください。 

防爆記号の種類と意味の解釈の仕方

工事現場や事業所などで電気機器を使用している方は、その設備に「d2G4」や「Ex ia IIB T4」という記号が書かれているのをご覧になったことがあるかと思います。 

それらは全て「防爆記号」と呼ばれ、その電気機器の防爆性能を表した記号です。 

「防爆」と一口に言っても、電気機器の性能や設置されている環境によって導入すべきレベルは変わってきます。 

本記事では、防爆記号の表し方と、その記号が表す意味について解説していきます。 

 

防爆記号には2種類のパターンが存在 

防爆記号には、「構造規格」と「整合指針」の2種類のパターンが存在します。 

前者は国内規格、後者は国際規格IECに準拠したものです。 

冒頭で示した「d2G4」は構造規格、「Ex ia IIB T4」は整合指針を表します。 

 

防爆記号「構造規格表記」の場合 

構造規格表記には3つの要素があります。 

1つ目は防爆構造の種類、2つ目は爆発等級、3つ目は発火度です。 

それぞれ以下の表のように分類されています。 

 

 

防爆構造の種類名 

記号 

本質安全防爆構造 

i 

耐圧防爆構造 

d 

油入防爆構造 

o 

内圧防爆構造 

f 

安全増防爆構造 

e 

特殊防爆構造 

s 

非点火防爆構造 

n 

樹脂充填防爆構造 

m 

 

爆発等級 

スキの奥行25mmにおいて火炎逸走を生ずるスキの最小値 

1 

0.6mm以上 

2 

0.4mm以上0.6mm未満 

3 

0.4mm以下 

 

発火度 

発火温度 

G1 

450℃以上 

G2 

300℃以上450℃未満 

G3 

200℃以上300℃未満 

G4 

135℃以上200℃未満 

G5 

100℃以上135℃未満 

G6 

85℃以上100℃未満 

 

防爆記号「整合指針表記」場合 

整合指針の場合、「Ex ia IIB T4」のように、先頭に「Ex」という記号をつけます。 

これは国際規格IECに準拠していることを表すものです。 

上記のように、整合指針表記には4つの要素が存在します。先頭につける「Ex」、「防爆構造の種類を表す記号」、「爆発性ガスの分類」、そして「温度等級」です。 

それぞれ以下のように表します。 

 

防爆構造の種類名 

記号 

本質安全防爆構造 

ia,ib,ic 

耐圧防爆構造 

d 

油入防爆構造 

o 

内圧防爆構造 

px,py,pz 

安全増防爆構造 

e 

粉塵防爆構造 

ta,tb,tc 

非点火防爆構造 

nA,nC,nR 

樹脂充填防爆構造 

ma,mb,mc 

 

グループ 

最大安全隙間 

IIA 

0.9mm以上 

IIB 

0.5mm以上0.9mm未満 

IIC 

0.5mm未満 

 

温度等級 

電気機器の最高表面温度 

T1 

450℃ 

T2 

300℃ 

T3 

200℃ 

T4 

135℃ 

T5 

100℃ 

T6 

85℃ 

 

 

「国際整合技術指針2020」によると、グループⅡは、坑気に晒される鉱山以外の爆発性ガス雰囲気が存在する場所で使用する電気機器、グループⅢは、坑気に晒される鉱山以外の爆発性粉塵雰囲気が存在する場所で使用する電気機器を指します。 

 

記号の見方とその意味を正しく理解することが大切 

以上、本記事では、防爆記号の種類と見方について解説させていただきました。 

防爆記号についてしっかりと理解して、ご自身が働いている環境の電気機器がしっかりと規格に適合しているかどうか確認してみてください。 

 

防爆工事でお悩みの方は防爆工事.comへご相談ください。